ラジオ英会話 Lesson 081 限定詞は何をしているのか:the

ラジオ英会話2018

Lesson 081 限定詞は何をしているのか:the

レッスンのポイント
 先月までに基本を終えましたが、まだ待つ項目は、形容詞・副詞・限定詞・否定・to不定詞・動詞-ing形など山ほどあります。ですが、これらの形を文に生かすためのポイントは同じです。「指定ルール」と「説明ルール」。そう、英語学習で避けて通ることのできない語順のお話です。
今月は「限定詞(determiner)」「形容詞(adjective)」「副詞(adverb)」を使って語順のセンスを確固たるものに仕上げていきます。今回はとても頻度の高い「限定詞」theについて学びます。

イギリス旅行に行ったケイが、リズに旅行先で会ったお医者さんについて話をしています。

Liz: Hi, Kei. How was your trip to the UK?

Kei: It was fantastic! I want to go back next year.

Liz: Did you go to the Sherlock Holmes Museum?

Kei: Yes, of course. Something funny happened there.

Liz: Really? Did you bump into Prince Harry?

Kei: Ha ha. Not quite. I met a doctor on my flight to London. The doctor told me he often travels to Japan. He was so kind.

Liz: So, what’s so funny about that?

Kei: Well, when I went to the museum, the same doctor was there, but this time he was wearing a costume, acting as … Doctor Watson

 

リズ: こんにちは、ケイ。イギリス旅行はどうだった?

ケイ: すばらしかったよ!来年また行きたいな。

リズ: シャーロック・ホームズ博物館には行ったの?

ケイ: うん、もちろん。そこでちょっと面白いことがあったんだ。

リズ: そうなの?ハリー王子とばったり出会ったりしたの?

ケイ: はは、ちょっと違うんだ。ロンドンに向かう飛行機の中でひとりのお医者さんと知り合いになったんだ。そのお医者さんは、よく日本に旅行に来ると言ってた。彼はとても親切だったんだ。

リズ: それで、それのどこがそんなに面白いの?

ケイ: ええとね、僕が博物館に行ったとき、同じお医者さんがいたんだけど、今度はコスチュームを着て、ドクターワトソンのまねをしていたんだよ!

 

WORDS & PHRASES

fantastic  すばらしい
sherlock Holmes Museum  シャーロック・ホームズ博物館(イギリスの作家コナン・ドイルの探偵小説に登場する主人公の家を再現した博物館)
funny  おかしな、奇妙な
bump into  ばったり出会う
not quite  必ずしもそうではない(=ちょっと違う)
flight  (飛行機の)便
costume  特定の目的のための衣装、服装
act as …  ~を演じる、~の機能を果たす

 

REAL GRAMMAR FOR COMMUNICATION~会話に役立つ文法~

The doctor told me he often travels to Japan.
そのお医者さんは、よく日本に旅行に来ると言っていた。

今回注目したいのは文の形ではなく「限定詞」です。限定詞とは、the や a、some、any といった名詞の前に置かれる「小さな単語」のこと。限定詞は「指定」の働きを持っているので、限定詞は名詞の後ろに置いて、(×)doctor the などとすることはできません。英語の修飾では「前に置けば指定(指定ルール)」です。限定詞は後ろの名詞についての指定をします。

例えばtheは後続の名詞が与えられた文脈のなかで、話し手にとっても聞き手にとっても「1つに決まる」ものであることを指定します。1つに決まるケースは種々あり典型的には次のケース。

a. 文脈から1つに決まる
I met a doctor on my flight to London.
The doctor told me he often travels to Japan.

前の文で a doctor が導入されたため、次の文ではその医師「1人に決まり」ます。

b. その場で1つに決まる
Close the door! ドアを閉めて!

その場にドアがひとつしかない、またはどのドアか明らかな場合、ドアと言えば「ひとつに決まる」

c. 常識から1つに決まる
The earth is round. 地球は丸い。

earth(地球)や sun(太陽)などは常識的に「1つに決まる」から the earth.

d. 「1つ」を意味に含む表現
Taro is the youngest of the three. タロウが3人の中では最も若い。

最上級(最も~)、only(唯一)、first(最初の)などの表現に the が付くのは「1つに決まる」が連想されるからです。

 

GRAMMAR IN ACTION  ~文法の実践~

本日習ったことを意識しながら練習します。必ず声を出して練習しましょう。

①カウンセラーと、息子についての話をした。そのカウンセラーは心配しないように言っていた。
I talked to a counselor about my son. The counselor told me not to worry.

話し手はa counselorと述べた後、そのカウンセラーを中心にthe counselorと話を展開する。

②ジョン、夕食のためにテーブルを整えてくださいね。
John, set the table for dinner, please.

通常夕食のテーブルは1つ。
set the table はお皿やナイフ、フォークなどを人数分配置すること。

③お母さんは郵便局に行っちゃっているよ。
Mom’s gone to the post office.

文全体は現在完了の結果用法。post officeにtheがつくのはやはり1つに決まるから。「最寄りの」「いつも使っている」というニュアンスです。

 

CHECK THE POINT  ~練習問題~

日本語の意味に合うように(   )内に適切な語句を選べ。

世界が私たちの教室です。
( A / The ) world is our classroom.

答 
The world is our classroom.

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